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2008.06.21 Sat
・「ピギー・スニードを救う話」/ジョン・アーヴィング 表紙が可愛かったので買ってみました。アーヴィングの作品は映画化されたもの(サイモン・バーチ、サイダーハウス・ルール)は観たことがあるけど、小説を読むのは初めて。感想はうーん微妙(笑)。帯によるとアーヴィング氏は長編の申し子だそうですが、この短編集だけですでにお腹がいっぱい。というか短編だから読み切れた気がする。難しいわけでもつまらないわけでもないんですけどねえ。要するに合わなかったってことでしょうな。”サイモン・バーチ”(オウエンのために祈りを)は大好きな作品だけれど。
・「五匹の赤い鰊」/ドロシー・L・セイヤーズ ピーター卿シリーズ第六弾。今回は私の苦手な時刻表ミステリーの感もあって、いまいち入り込めず。六人の容疑者も誰が誰やら途中でわからなくなってきちゃって、しまいには誰が真犯人でも構わん!という気すらした。ピーター卿の相棒のバンターもほとんで出てこないし、バディもの好きにはなにかと残念な一冊。
・「ぼくには数字が風景に見える」/ダニエル・タメット 最近読んだ本の中で一番コーフン&感動した本。 作者のダニエル・タメットさんはサヴァン症候群でアスペルガー症候群の青年で、これはどちらも脳の発達障害で、生まれつき脳の発達のしかたが大多数の人々と異なっており、またどれくらい異なるかは個人によって違うそうです。以上、解説より抜粋(映画”レインマン”の主人公もサヴァン症候群)。 私が彼のことを知ったのはNHKの「ブレインマン」という番組で。途中から観たので最初はなんのこっちゃわからんかったのですが、ダニエルという英国人の青年がどこかの博士らしき人の前で独自の計算方法の話をしていて、「数字にはそれぞれ形や色があって、例えば掛け算だとその独自の形をした2つの数字の間にできた空間が第3の形になって、それが新しい数字でその式の答えなんです」とかなんとか。 これには高校時代、数学のテストで2度も0点を取って以来、数学と聞いただけで尻尾巻いて逃げだす自分には衝撃ですよ。「なにそれ!計算せんでも答えがわかるなんてそんなんアリか!」と。しかも彼はまるで知らなかった言語(アイスランド語)でも、1週間の猛レッスン後にはインタビューにスラスラと答えられるくらいに上達させることもできるのです。まさに天才! しかし、当然いいことばかりではなく、むしろ子供時代には他人の感情が理解できなかったり、うまく距離が取れなかったために、色々といじめにもあったそうです。まだ”サヴァン症候群”や”アスペルガー症候群”という言葉もない時代、ましてや小学生の子供達にダニエルの特別さを理解しろというのも難しい話だけれど、本人以上に両親は切なかったのではなかろうか。 友達はなかなかできなかったダニエルですが、両親や兄弟(ダニエルは9人兄弟の長男)にはたっぷり愛されている。でもいつかは自立しなくてはいけないのを理解していて、そのために得意の言語力を活かせる海外(リトアニア)で英語を教えるボランティアに応募。見事採用され、たったひとりで期待に胸をふくらませながら旅立つくだりにはぐっときたなあ。驚異の暗記力よりなにより、ダニエルがひとの心を動かすのは、彼の生き方が挑戦的だからだと思う(本人はいたって穏やかな印象の方ですが)。 他人から勧められることもあれば、自ら思いついてチャレンジすることでも、いつもダニエルは不安に駆られながらも最後まできちんとやり通す。そして結果を出して見せる。そこがたまらなくステキなのだ。
・「見仏記」/みうらじゅん、いとうせいこう 積読本の中から発掘。発行日を見たら1996年だった・・・・。 仏像が大好きなみうらじゅんといとうせいこうが日本各地の仏像を見仏して回った記録。どこへ行ってものんびりしているみうら氏と、なにかにつけて熱く妄想し語りまくるいとう氏とのバランスがいい感じ。みうらじゅんが小学生時代に作っていた「仏像スクラップブック」の緻密さは必見。小学生の頃から変わらず仏像が好きで好きでたまんない!というみうらじゅんがすごくカッコよく思えた。
・「イーグルを奪え」/バーナード・コーンウェル ”シャープシリーズ”の原作。ドラマ版の方の感想に、「軍旗が奪われたくらいでんな大げさな!」とか書いた記憶があるんですが、原作を読んでその考えを大いに改めました。軍人にとって軍旗とは≪名誉と忠誠の象徴≫であり、軍旗が翻っているかぎり、たとえどんなに不利な状況でも兵は戦い続けることができるんですね。そら必死にもなるわな。ほんますまんかった。
・「ジーン・ワルツ」/海堂尊 妊娠・出産はおろか結婚もせず、正直いうと子供そのものもいまひとつ苦手な私が言っていいものかわかりませんが、この小説に出てくる「自分と血の繋がっている子供をどうしても産みたい」という女性たちには畏れを感じた。そこには養子という選択肢が全然ないもの。同時に、欲しがっている夫婦に限ってなかなか恵まれないってのもホントに不公平な話だとも思う。産まないという選択もできる中、産むだけ産んで、平気で殺しちゃったりする親もいるのにさ。 ネタばれになるので多くは書けないけど、そんなこんなで悶々として読み進む中、妊娠・出産を機に大きく変化(しかもとんでもないハンディを抱えた上で!)する女性がいたことにすごくホっとした。あの種の強さはちょっと男にはないんじゃないかな。
・「卵の緒」/瀬尾まいこ 「ジーン・ワルツ」と違い、こちらは血の繋がりがない親子、または繋がりの薄い姉弟のお話。こっちだけ読むと「親子関係に血の繋がりなんか関係ない!愛情があればそれでいいのだ!」と単純に思うけど、「ジーン~」と併せて読むと、「血が繋がっているからこそ乗り越えられる障害もあるんじゃなかろうか」という気にもなる。要するによくわからんということです。ともあれ、瀬尾まいこという作家はすごく好きだ。この作品は彼女のデビュー作だそうですが、書きたいものがきちっとあって書いたという感じがする。
・「チャスとリサ、台所でパンダに会う」/フラン・レボヴィッツ 「NYでは愛されすぎて自由にシティライフを楽しむことができない。だから犬の着ぐるみを着て犬になりすまし、より楽しい都会生活を満喫するためにパリへ行きたいの!」とおっしゃる生意気なパンダと、そんな彼らに同情し、なんとかしてパリ行きの飛行機に乗せてあげようとするふたりの小学生の物語。当然ですがファンタジーです。大人向けの絵本って感じでイラストもたくさん載ってるんですが、これがことごとく可愛くなかったりする。 スポンサーサイト
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