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書を持って、町を出よう。
2008.10.14 Tue
「イントゥ・ザ・ワイルド」を観ました。

1992年4月に単身でアラスカの荒野へ分け入り、四ヶ月後に腐乱死体となって発見されたクリストファー・ジョンソン・マッカンドレス。恵まれた環境に育ち、頭もよかった彼が、なぜ家を捨て荒野へと走り、打ち捨てられたバスの中で死なねばならなかったのか。

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ジャーナリストであり登山家でもある著者ジョン・クラカワーが、綿密な取材と遺されたクリストファーの日記を元に、クリストファーが家を出てから荒野へ向かうまでの足跡を辿り書き上げた、全米ベストセラー・ノンフィクションを監督ショーン・ペンが映画化。

映画を観たあと原作を読んだのですが、映画だけではよくわからなかったことがいろいろ補完できてよかったです。両方併せてオススメ。

以下、映画原作ともにネタバレ注意。
映画を観るまではてっきり、このクリストファー青年は荒野へ死にに行ったのだと思ってたんですが、実はそうではなくて、うっかりミスが元で戻るに戻れなくなりついには死んでしまった・・・というのが真相のようです。本人が亡くなっているので断言はできないけど。

しかしこのミスが防ごうと思えばいくらでも防ぐことのできる種類のものであったことから、一部の人たちからは「愚か者」「変人」とバッシングを受け、アラスカに暮らす人の中には「アラスカの荒野ナメんじゃねえ!」と激しく非難するひともいたようです。正直、私も「クリス、それはあかんのと違うか?」と思った。でも原作を読み進めるうちに、クリスのことがどんどん解ってきて、最後はもう「クリスならやりかねん」と深く納得しました。

要するにこのひとちょっとズレてるんですな(笑)。確かに他人の意見に耳を貸さなかったり、というか言えば言うほど頑なに拒否するへんこなところもあるんだけど、それ以上に頭いいわりには肝心のとこが抜けてるどんくさいひとなんだと思う。だからこそ他人の意見はちゃんと聞け!と思われるかも知れないけど、この手のタイプには何を言っても無駄な気がするわー。しかもその持って生まれたキャラに若さとロマンチが加わってるんだもん。ある意味最強じゃないか。

ただやっぱり遺された家族のことを思うと、クリスにはもう少し謙虚になって欲しかった。クリスは両親のことを資本主義の犬(言いすぎ。私が)のように思い憎んでさえいるんだけど、クリスが家族の誰にも何も言わずにいなくなってしまった後、ご両親は全米中の警察に捜索依頼を出したり、私立探偵を雇ったりして必死で彼のことを探しているんですね。それはもうずっと。なのに最後は変わり果てた姿になってしまっていて・・・・。

クリスが遺体で見つかった時の妹(大変仲がよかったみたい)の嘆きや、ご両親が著者と共にクリスが発見されたバスを訪れるエピローグ(原作の方。映画はここまでやらない)はちょっとたまらんかった。死ぬ気がなかったからあえて連絡を取らなかったんだろうけど、家族の他にもクリスを心配していたひとはたくさんいるんだよー。

変人であることには間違いのないクリスだけど、根は社交的でなんともいえない魅力があった彼は旅の途中、たくさんのひとと印象的な出会いをし、その誰もが彼の死を悼んでいます。なかでもヒッチハイクで彼を拾い、一時雇用していたこともある大穀物倉庫の所有者・ウェスターバーグ(映画ではヴィンス・ヴォーン。イメージぴったりでした)には旅先から何度も手紙を出す懐きようで、ウェスターバーグもまたクリスのことを弟のように可愛がり、なんでも物事を難しく考えすぎる彼を案じてもいました。

旅の最後の方で出会ったフランツにいたっては、聡明でユニークなクリスに心酔していたといってもいいほどで、妻子を亡くし独り暮らしの自分の養子になることを考えて欲しいとまで言います。

intothewild03.jpg

これに対するクリスの返事は「そのことについては戻ってきてから話し合おう」という程度のものでしたが、フランツはその言葉を信じただけでなく、「あなたは思い切ってライフスタイルをがらりと変え、これまで考えもしなかったようなことを大胆に実行に移すべきです!」というクリスのアドバイスを真面目に受け取り、住んでいた家を離れヴァンを購入し、クリスが住んでいた温泉近くの砂地にテントを張り暮らし始めるのです。毎日毎日ひたすらクリスが戻ってくるのを待ちながら。

フランツさん、この時すでにオーバー80なんですよ!

もうね、このくだりを読みながら泣いた泣いた。クリスもさー、無責任なこと言うんなら、ここはきっちり戻ってくるべきでしょ!なに勝手に死んでんだ!うわーん!!

ちなみに映画では後日談には一切触れず、クリスが最期に見たかも知れない光景が映し出されて終わります。荒野での生活は彼が思い描いていたような自然最高!てなもんじゃなく、そらやっぱり厳しいっすわーてことをちゃんと描きつつ、それでもクリスのことを否定しないで欲しいという、ショーン・ペン監督の想いがそうさせたのかなと妄想(ショーン・ペンって絶対クリス側の人間だと思うのデス)。それに読めば読むほどクリス、ちょっとキミ・・・って感じなんすよね。

長々と書いてきましたが、結局のとこ私もクリスのロマンチに共感を覚えたことを白状しておきます(笑)。理想だけを追って生きていこうとする人間には、それだけで圧倒されてしまう。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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