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「私掠船」という単語にビビっときたあなたに。
2011.04.17 Sun
「アメイジング・グレイス」を観ました。

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「ホーンブロワーやマスコマ好きには絶対オススメ!」との啓示を受け、いそいそと観に行ったんですが、舞台が18世紀のイギリス。主演がホレイショことヨアン・グリフィズときたらもうね。間違いなしでした(笑)。でも後ろの席のおっさんは寝てたみたい・・・。地味な映画ではあります。

映画のタイトルになっている「アメイジング・グレイス」ですが、葬式で歌う曲だとばかり思ってましたよ。元は奴隷船の船長だった男がのちに牧師になり、過去を悔い改め、どうしようもなかった自分の目を開かせてくれた(言い過ぎ)神への感謝を捧げるために書いた詩だそうです。劇中でヨアンがこの曲を朗々と歌うシーンもありますよ。吹替えかもしんないけど。

※以下、延々とネタバレしています。
18世紀のイギリスで若くして政治家になったウィリアム・ウィルバーフォース(ヨアン・グリフィズ/以下長いのでウィルバーと省略)が、親友のウィリアム・ピット(のちに24歳で首相になるひと/ベネディクト・カンバーバッチ)や仲間たちと共に奴隷貿易を廃止する法案を議会で可決させるまでの長い闘いを描いたお話で、実際映画の冒頭でのウィルバーの窶れようときたら。今にも死ぬんじゃなかろうかってくらいの酷い顔色なんだけど、そんな状態でも通りすがりの馬が「さっさと働け!」とむち打たれているのは見過ごさない。「1時間もすれば回復するだろう!」とわざわざ馬車を降りてまで忠告してしまうウィルバーは人間だけでなく動物にも優しい。さすがは博愛主義なだけあります。家にも動物がたくさんいるしね。で、たまに庭で動物たちとたわむれたり、天に向かって「神様!」なんつってるところを実直そうな執事が微妙な顔して見守っている(笑)。議会では弁舌も鮮やかにベテラン議員たちに反論してみせるキレ者のウィルバーですが、家ではもしや天然?と思わせる部分もあって、ちょっとほっとけない感じ。

奴隷解放運動にも人一倍熱心なだけに、夜な夜な奴隷たちの夢を見てはうなされ、心身共にボロボロだったウィルバーをみかねた従兄弟殿が、「これはひとつ家庭でももってみてはいかがか」と銀行家の娘であるバーバラとの見合いを当人たちには内緒で計画。とはいえ最初からバレバレで、お互い興味のないふりをするんだけど、実は十代の頃からウィルバーの書いた奴隷解放についての本を読むなど政治に関心が強く、熱心な支持者でもあったバーバラに励まされたことで勇気を得たウィルバーは再び精力的に活動を開始し、バーバラともめでたく結婚。

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このバーバラがまた才気煥発で美人でおまけにウィルバーとは18歳も年が離れていたのに、ほとんど母親のような包容力もあってホントに魅力的な女性でした。そりゃ知り合って2週間でプロポーズするはずだ(笑)。また彼女の一連の発言や行動(「ウィリアム・ピットが首相になり、ウィルバーが側近になった頃は若い二人の政治家に国中の女子が熱狂したわ!」とか、若い頃、ウィルバーの書いた本に感銘を受け、友達に「砂糖は奴隷の血の結晶よ!」と言っちゃったり、しまいには父親の紅茶から砂糖を抜いたり・笑)から、なかなかユニークな女性であることがわかります。ミーハーか!

そんなこんなで民衆からの支持は受けている「奴隷解放運動」ですが、肝心の法案が議会で通らない。実際奴隷が働かされているのはイギリス国内ではなく、ジャマイカなどの農園が主で奴隷船も間近に見たことがない人が多く、またたとえイギリスが撤退してもすぐにフランスがとって代わるだけで、結局はなにも変わらないだけでなく、戦争相手であるフランスの利益になるだけだと、反対派も手強い。ついでにウィルバーの持病である胃腸炎(完全にストレス性だと思われる)もしつこく彼を苦しめるわけですが、結婚するまで頼りきりだったアヘンチンキを絶ったことで七転八倒。もしかしてこのひと、法案が可決されるのを見ずに死んじゃうのかなと思ったほどでしたが、意外にも70歳すぎまで生きてらしたみたいです。しかも子供も6人て・・・。元気やん。

これまで正面から奴隷貿易の廃止を訴えてきたウィルバーたちですが、仲間の一人である海事弁護士が一計を画策。奴隷貿易廃止の法案ではなく、当時多くの奴隷貿易船が中立国であるアメリカ船籍で航行していたことから、「アメリカの国旗を掲げた船はすべてイギリスの敵とみなし攻撃する許可を私掠船に与える」というフランスとの戦争を逆手に取った法案を通すことにより、英国海軍の庇護を受けられなくなった彼らが数年以内に破たんすることを予測。真っ向から勝負してダメなら搦め手でというわけです。しかも奴隷貿易廃止法案に反対派にバレないようにと、この法案を出すのは退屈な議員でという念の入れよう(笑)。そしてウィルバーたちの期待通り、退屈を絵に描いたような議員の活躍もあり(笑)、法案は無事に通過。ついに奴隷解放への一歩を踏み出します。

しかしその頃、親友のピットが病に倒れてしまい、その枕元に駆けつけたウィルバーに「次は必ず勝てる」と言い遺すのがまた泣けてくるわけです。ピットが首相になった後、一度は仲違いになってしまった二人だけど、ウィルバーの結婚を機にまた親交が復活。ピットは最後まで奴隷解放運動に大っぴらに顔を出すことはなかったけれど、運動のリーダーにウィルバーを推したのは彼だし、政治家なんか辞めて聖職者の道を進もうかなーと考えていたウィルバーを自分の右腕になってくれと引き留めたのもピットなんですよね。

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ケンブリッジ大学で共に学んだ日からずっと同じ志を持って進んできた親友同士(ちょっと白鳥と速水みたいだ)だからこそ託せる大仕事だったでしょうが、まさか本人たちもこれほど厳しく長い闘いになるとは思わなかったんじゃないでしょうか。ピットは法案が可決されるのを確信していたようだけど、なおさらその目で見てもらいたかったですな。あの劇的な一瞬を。

ピットの死後、悲願であった法案が283対16という大差で可決され、そこでようやくウィルバーたちの苦労も報われることになるんですが、最初に法案を提出してから16年という時間が費やされてるんですね。よくぞ投げ出さずにいられたもんだと、彼らのその信念にはただただ感心するばかりです。反対派もしつこかったなあ(笑)!ラストシーンの「アメイジング・グレイス」のバグパイプの演奏もよかった。ウィルバーは死後、ピットの隣のお墓に埋葬されたんですね。享年ウィリアム・ピット46歳。ウィルバー74歳。どう考えても先に死にそうだったウィルバーをピットは随分長く待ったことになりますな(どうでもいいですか)。あと興奮するとみんなあのヅラを取っちゃうところが面白かった。最初から被らなきゃいいのに!それとウィルバーの仲間のひとりのトーマス・クラークソン。どっかで観た顔だと思ったら、Rock You!のアダマー伯爵ではないですか。髪型が斬新すぎて一瞬、わかりませんでした。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

映画 * 20:48 * comments(2) * trackbacks(0)
COMENNTS
こんにちは!
電波が届いて良かったデス。

ヨアンて、なぜまたあの時代にすっぽりとはまってしまうんですかね~。ほんと、キャスティングした人に感謝です。(ついでに、オリヴァー・ストーンのブッシュ映画でブレアやってるんでしたっけ?)

私掠船って言葉にはがっつり反応してしまいますね。ジャックやホーンブロワのお仲間が、奴隷船をバッタバタとやっつけるところを想像すると胸がすきます。

30年近くの時を経て、親友の隣に埋まることになったウィルバー、これって本人の遺言でしょうか、それともミーハーな奥方が気を利かせたんでしょうかね。気になります。

ところでアダマー伯爵。私も映画中ずっと「どこかで見た顔だ」と思い続け、ぐぐって解決でした。
波子 * URL * 2011.04.20 Wed * [ 編集]
今晩和!

オススメ電波ありがとうございました。がっつり受信させていただきました~♪

久しぶりにヨアンを観ましたが、あいかわらずハッキリした顔ですよね~(笑)。だからコスプレに負けないのか。むしろ現代劇に向いてないような。

>ブレア首相

画像だけ見ましたが、なぜヨアンがキャスティングされたのかまったく謎デス。似てないですよね・・・。逆に他のキャストがそっくりさんショー状態ですが。

http://www.zimbio.com/George+W+Bush/articles/284/First+Look+at+the+Cast+for+W

>私掠船

作戦を立てた弁護士もカッコよかったですね~。思わず顔がニヤけてしまいました。あの弁護士、マチュリンやジャックと気が合いそうデス。

>30年近くの時を経て、親友の隣に埋まることになったウィルバー

もちろん奥方のたっての願いだと思います。30年前にすでに隣のスペースを予約してたに違いありませんよ!←それにしても映画の最後にこの情報。さすがは英国だと言わざるを得ませんな。
ちあき * URL * 2011.04.23 Sat * [ 編集]
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