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映画のために生きる。
2012.01.21 Sat
「CUT」を観ました。

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映画監督の秀二(西島秀俊)の兄でやくざの真吾は、弟の映画製作資金を調達するために借金を重ねた挙句、やばい仕事に手を出し殺されてしまう。真吾を息子のように可愛がっていたという組長の正木(菅田俊)は、それはそれとして残った借金(1500万円くらい)を返済期日(2週間程度)までに返すよう秀二に迫る。まったくあてのない秀二は、兄が殺された組事務所兼ボクシングジム兼賭博場兼Barのあるビルのトイレで殴られ屋を始める・・・。

という話なんですが、とにかくこの秀二という男がイタかった。頭の中は「本物の映画を撮ること、本物の映画をもっとたくさんのひとたちに観てもらうこと」でいっぱいで、そのために街中で拡声器を片手にアジ演説をぶちかましては警察に追われる暴走ぶり。私もたいがい映画は好きだけど、彼のあまりの必死さには「なんやこいつ面倒くさ!と引きましたね。演じてるのが西島秀俊だからギリ耐えられるレベル。秀二はどうやら過去に3本ほど映画を撮ったことがあるみたいなんですが、絶対その映画オモロないやろとも思いました。観てないけどなんとなく(笑)。

※以下ネタばれ注意!
そんな秀二を陰で支えてくれていた兄が死んで、初めて兄がやくざだったこと、自分のために危ない橋を渡り続けていたことを知り、兄が遺した借金返済のために身体を張ることを決めた秀二はもう完全に狂ったかこの男と、やくざの組長でさえ引くほどの鬼気迫る風情で、「兄貴が死んだこの場所なら、俺は痛みを感じないですむんです」と、殴られすぎてせっかくの男前が台無しの顔で、「もっと殴れよ!もっと!!」と客の男たちを煽りまくり。最初は1発5000円だったのが、しまいにはなぜかオークション形式になっていて、1発50000円くらいに値段が跳ね上がっているんですが、興奮しきった男どもは両手に万札握りしめ、俺が俺がの大合唱。無意識に男の闘争本能とか征服欲を刺激する、この秀二とかいう映画バカは何者なの?と、私しゃもう何の映画を観てるんだかわからなくなりましたよ。

しかしそこまでしても借金完済には程遠く、最後の手段として秀二が選んだのが100本ノックならぬ、100発パンチ。秀二が続けて100回殴られることに耐えられるか否かのバクチに観客が賭けるってなシステムなんですが、秀二が一発殴られるたびに念仏のように唱えるのが、彼が思う名作映画100本のタイトル。いずれも古い映画が多くて、残念ながら私はたぶん1本も観たことがないと思うんですが、この100本をナデリ監督がひとりで選んだのか、脚本家や西島さんたちと一緒に選んだのか気になるところ。中に数本、日本映画もあったんだけど(北野監督の”HANA-BI”とか小津監督とか大島渚監督とか)、この映画をもしタランティーノが撮ってたらどんな作品を選んでいたろうかと、一瞬そんなどうでもいいことが脳裏を過りました。絶対、「仁義なきシリーズ」とか任侠映画が山ほど入ってると思うんだ。

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無事に借金を完済した秀二が最後に組長にお願いしたのが、なんと更なる借金!もちろんそのお金で新しく映画を撮るわけですね。最後の最後のシーンでようやく映画のタイトルが腑に落ちました。「そういや、このひと映画監督だった」みたいな。マジでけっこう暴力シーンがキツイですからね。秀二がただの映画ヲタでなく、ボクサーばりに出来上がった身体でよかった。なんで映画監督の腹筋がそんなに鍛えられてるのかようわからんけど。

拡声器片手に映画とは!と暑苦しく語ったり、殴られ屋をやっている時の秀二は正直、かなりの変人ですが、自宅兼事務所のビルの屋上で、古い映画の自主上映会に集まってくれた若い映画ファンに囲まれ、一緒に作品を観ながら、観客が楽しそうにしているのを見守る秀二は別人のように穏やかで嬉しそうで、もしかすると彼の撮る映画はすごく優しい作品なのかなと思ったり、いややっぱり監督だけが楽しいひとりよがりの映画だろうかと思ったり。変人のくせに最後は彼の撮る映画を観てみたい気にさせるとは、なんかしてやられた気分です。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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