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狩人は荒野をめざす。
2012.04.23 Mon
「第九軍団のワシ」を観ました。

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西暦120年、ローマ帝国がブリタニア(現在のイングランドとウェールズ)への侵略を進めている中、北部のカレドニア(現在のスコットランド)の部族が反乱をおこす。その平定のため、ローマ皇帝ハドリアヌスはローマ軍最強の部隊【第九軍団】を送り込むが、司令官のフラビウス・アクイラと部下の兵士5000名はローマ軍の象徴である≪黄金の鷲≫と共に霧の中で忽然と姿を消し、再び帰ってくることはなかった・・・。

それから20年、父と同じローマ軍の百人隊長となったマーカス(チャニング・テイタム)は、父親の汚名を晴らすため、ブリタニアへの配属を志願するが・・・。

※以下、原作ともにネタばれ全開です。そして素晴らしく長いよ・・・。
やる気満々で赴任地へ現れたマーカスですが、新しい司令官の父親がローマ軍の面汚しだと知っている古参の兵士たちは、従順に振る舞いながらも腹の中では舌を出しているわけで、そのことを敏感に察しているマーカスは、いざという時に正しい指揮がとれますようにとミトラス神に祈る毎日。真面目か。しかしその祈りが神に届いたのか、マーカスは敵の夜襲を獣の勘でいち早く察し、見事に初陣を飾ることに成功。それまでとはうってかわって部下たちも「俺たちの司令官なかなかやるじゃん!」と大絶賛。おまけに人質に取られていた偵察隊を自らが率いた精鋭部隊と共に”300”ばりの亀甲陣形で救いだしたことで評価はうなぎ昇り。軍団は本国から月桂冠賞とやらを授与され、「これからは軍旗に月桂冠が栄えますよ!(セリエAでいうスクデットみたいなもんですな)」と全てが上手く運んだ中、肝心のマーカス自身は負傷(それもかなりの重傷)によりまさかの名誉除隊に・・・。オーマイガー!

父の汚名を晴らすためにと、ただひたすらそのチャンスを窺っていたマーカスのあまりの悲嘆ぷりに、身柄を預かっている伯父のアクイラ(ドナルド・サザーランド)はある日、ちょいと気晴らしにと近所の闘技場にマーカスを連れて行きます。そこでは様々な試合が行われているのだけど、メーンイベントはどちらかが死ぬまで戦うデス・マッチ。大柄な剣闘士の相手は小柄な奴隷でそんな不公平な!と伯父さんは嘆きますが、あろうことか奴隷は剣を投げ捨て丸腰で対峙。逃げもしなければ戦うわけでもないその奴隷を、「なんと誇り高い男であることか!」とアクイラ伯父さんは手放しで絶賛するのだけど、正直、どこいらへんが誇り高いのかようわかりませんでした。原作だと、ここは奴隷といえど元は剣士だったらしく潔く戦うことになるのですが。

案の定、あっさりやられた奴隷に最後のとどめを刺すべく周りの観客がヒートアップする中、命乞いもせず静かに見上げてくる奴隷の姿に何かを感じたのか(一目会ったその日から的な?)、「情けをかけろ!」とマーカスだけが慈悲をかける合図を送り、それに反応した観客のお陰でこの奴隷は命拾いをし、そのままアクイラ伯父に買い取られマーカス専属の奴隷となります。名前はエスカ(ジェイミー・ベル)。ブリガンテス族のクノーバルの息子であります。

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で、ここからが原作どこいった?な展開となるのですが、負傷による失意の日々を送るマーカスの元へ、アクイラ伯父さんの旧友であるクローディウスという第六軍団の総司令官が現れ、失われた第九軍団の黄金の鷲が、北の方の部族の元でなにやら祭祀の時に使われているようで、もしあれがローマ軍への敵意の旗印に使われるようなことになったら大変であると。しかし、それは噂話に過ぎないし、そもそもそんな辺境の地まで兵士を派遣する余裕もない。どうしたもんかいのうと、そんな話をされたらもうこれ行くしかない、マーカスが。

というわけですぐさま出立!となったのですが、この時マーカスは奴隷としてエスカを連れて行くんですよね。でも原作では「こんな危険な狩りに、断る権利のない奴隷としてお前に一緒に行ってくれとは頼めない。だが友達になら頼める!」と、エスカを先に奴隷の身分から解放するわけです。そんなことをすればすぐさま自由だー!と飛び出して行って二度と帰ってはきませんよという忠告も無視して。それに対してエスカは「これまであなたに仕えてきたのは自分が奴隷だったからではなく、あなたがマーカスだったからですよ。だから一緒に行ければ嬉しい」と、もう身分とか関係ない確かな信頼関係というか友情があるんだけど、映画ではそれがないもんだから、他に頼る者のいないマーカスはエスカが自分にはわからない彼らの言語で地元民と会話するだけでちょっとイラっとする始末。

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それでも旅を続けていく内、ついに第九軍団の生き残りだというグアーン(マーク・ストロング)という男に出会い、第九軍団が迎えた悲惨な結末を聞き、決意も新たに黄金の鷲を持ち去った氏族(アザラシ族)の元へとたどり着くことができた二人ですが、氏族は違えど同じ言葉を話すエスカはともかく、お前だれ?とマーカスを不審な目で見るアザラシ族の若きリーダーの手前、とっさに「こいつは私の奴隷デス」と嘘を吐くエスカ。しかしその目があまりに真剣。原作読んでる自分ですら一瞬、「エスカ、マジか!」と思ったほどなんで、マーカスの不安たるや!

その後、あわや殺されるかも!という展開もあり、その時のエスカがまた「どうぞ殺っちゃってください」とか言うもんだからもうマーカス的には「お前、絶対許さん!いつか殺す!」となるのも致し方ないのでありますが、やはり全てはエスカが相手の目をあざむくための計画で、いざ黄金の鷲を取り返すチャンス到来とみるや、眠りこけているマーカスを揺り起こし、「急いでマーカス!」とアザラシ族に取り上げられていた剣もちゃっちゃと奪い返し準備万端、完璧なる相棒ぶり。逆にマーカスったら若干涙目で「お前を失ったかと思った・・・」なんつってて可愛いったらない(笑)。

そんなこんなで無事に黄金の鷲は取り返したものの、原作では長い歳月の間に両方の翼がもがれてコンパクトな持ち運びサイズになっていた鷲が、映画のアザラシ族は物持ちがよすぎて、翼もがっつり生えたまま。かさばってしゃあないときました。その上、鷲を返すの返さないのとアザラシ族と揉めている間にマーカスは負傷しており、その怪我のせいもあって、もうこれ以上逃げられない!お前が鷲を持ち帰ってくれ!とついに泣きが入ります。だったら私を自由にしてくれと言うエスカに、「わかった。もうお前は自由だ」と鷲を任せようとするマーカス。

しかし、ついに自由を手に入れたエスカは「やはり鷲はあなたが持ち帰るべきだ。だからここで少し待っていてください」とマーカスを置き去り。ひたひたと敵の足音が迫る中、なかなか戻ってこないエスカをひとり待つマーカスは最後の力を振り絞り、黄金の鷲にそこいらにあった棒をくくりつけひとりで第九軍団再結成。もはやこれまでと観念した瞬間、なんとエスカがグアーンと第九軍団の生き残り(10名ほど)を引き連れ戻ってくるのであります!

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ん な ア ホ な !

ここまでもかなり原作とは違う展開なんですが、第九軍団の生き残りがマーカスやエスカと共にアザラシ族と命がけの戦闘を繰り広げるなんて、さすがにアゴが落ちました。いや映画的にはこれくらい盛り上がりがないといかんのでしょうが、生き残りって!一緒に戦うって!!!!グアーンも「今度は逃げない!」とか勇ましいこと言ってるけど、あんたを助けてくれた氏族は?嫁は?子供は?(映画版では妻子とかいなかったっけ?忘れた)

最終的にマーカスとエスカは見事に鷲を持ち帰ることができ、それによって第九軍団も再結成されることになるんですが、な る ん で す が 。

再 結 成 し て い い ん だ 。

原作だと第九軍団は再結成することはできなくて、代わりにマーカスはそれなりの金銭と土地、それとローマの市民権(これはもちろんエスカの分)を貰って、エスカと共に新しい人生をスタートさせるという地味っちゃ地味な終わり方なんだけど、「第九軍団のワシを奪還し、軍団を再結成させて亡くなった父親の名誉を回復させる」という、まあ言うなればマーカスひとりの目標であったものを、ローマ軍に侵略され家族も名誉も失ったエスカが身体を張って共に実現させるところがよかったわけですよ!要は属する世界を超えた男同士の友情に萌えるつうかさー。

だから映画のラスト、絶対に生きては帰ってこないだろうと思われていたふたりが颯爽とワシを引っ提げて現れ、目を丸くする司令官の前でハイタッチ。「次はどんな狩りを?」「お前が決めろ!」(かなりウロ覚えデス)と、妙に軽快なバディものになっていたのにはもうどうしていいのやら。なんだこれシリーズ化するつもりか。

なんかあまりにも原作と違いすぎて、思わず終演後、隣の席に座っていたお嬢さん(原作本を抱えていらっしゃったので)に「これ原作と全然違いますよね」と声を掛けてしまったくらいなんですが、そのお嬢さんも「尺が足りなくて話が端折られてるのは判るんですが、でも第九軍団の再結成だけはないと思います!」と力強くおっしゃってたので、そうですよね!とこちらも強く頷いておきました。そうなんだよ、あんなにあっさり再結成されちゃ話が軽くなっちゃうじゃないかー。あとマーク・ストロングのセクシーさはやはりハゲてこそかと。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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